中国が原子力分野で革命起こす=タイムズ

2021年9月、中国の研究者らはゴビ砂漠で、トリウム溶融塩原子炉(MSR)を稼働させる計画だという。この新たな原子炉は、従来使われてきたウランを使用せずに稼働する。実験が成功すれば、原子力をより環境にやさしく、安全なものにし、根本から原子力というものを変える快挙となる可能性があるとタイムズ紙は指摘している。
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トリウム燃料サイクルの利点は、二酸化炭素の排出量を大幅に削減できる点である。新たな原子炉では冷却のために水ではなく、溶融塩が使用されることになっており、原子炉から出る廃棄物は毒性が低く、半減期も短い。さらにトリウム溶融塩原子炉を使った原子力発電所は、水を必要としないことから、大きな居住地から遠く離れた不毛地帯にも建設することができるという。タイムズ紙は、中国が開発している新たな原子炉は2060年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を実現するのを促進するものになるだろうと指摘してる。
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トリウム溶融塩原子炉の試験炉は高さ3メートル、幅2.5メートルと小型である。2メガワットの電力つまり1,000軒の住宅分の電力を創出することができる。中国政府の計画によれば、実験が成功すれば、最大100メガワットの出力を持つ小型のトリウム溶融塩原子炉システムが完成する。これで数十万軒の住宅の電力が保障できる。原子炉の建設は2020年に完了することになっていたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、計画が遅延していた。
現代の原子力発電所でどのようなタイプの原子炉が使われているのか、またその安全技術はどのようなものになっているのかについては、「スプートニク」の過去の記事よりお読みいただけます。
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