世界では、空気の汚染により、毎年700万人が死亡しているが、WHOの専門からは、このような犠牲は十分に避けることができるとしている。大気の質を改善することを目的に、WHOは6つの大気汚染物質(微小粒子状物質、オゾン、二酸化窒素、二酸化硫黄、一酸化炭素など)をさらに低濃度にするよう推奨している。
とりわけ人体に危険なのが、粒径10〜2.5ミクロンの微小粒子状物質で、これはヒトの髪の毛よりもはるかに細く、肺の中はもちろん、血管にも簡単に入り込み、循環器系や呼吸器系に悪影響を及ぼすとCNNは伝えている。また微小粒子状物質に汚染された空気は、喘息や気道感染、循環器系疾患、神経変性疾患を悪化させる。
微小粒子状物質の主な発生源は、輸送、エネルギー、産業、農業、そして日常生活などさまざまな経済活動における燃料の焼却である。また森林火災も微小粒子状物質を発生させる。2013年、この微小粒子状物質には発がん性があることが認められた。WHOの新たな基準では、微小粒子状物質の年間平均濃度は、1立方メートルあたり5マイクログラムとすると定められている。2005年の前回改定では10マイクログラムだった。
CNNによれば、WHOの専門家らは、大気汚染は気候変動と並んで、人間の健康にとっての深刻な脅威だと指摘する。また大気汚染を改善することによって、気候変動の影響を緩和することができ、また二酸化炭素排出量を削減することにより、大気汚染を改善することができるという。CNNは、WHOは大気の基準を厳格化することによって、各国は、国民の健康を守ることができるだけでなく、世界の気候変動を阻止することができると確信していると伝えている。
東方経済フォーラムで、WHOロシア代表のメリタ・ヴイノヴィチ氏が、慢性感染症による死因の16%が大気汚染であると述べたというニュースについては、「スプートニク」の過去の記事よりお読みいただけます。
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