斎藤顕宜教授が指導する研究グループは、実験用マウスを「長期的は社会的影響の間接的ストレス」の環境にさらし、常にマウスが他のマウスが抑圧に苦しむ様子を観察させた。研究者らはケージの中でサイズの違う2匹のマウスを飼育し、小さいマウスがより大きいマウスのテリトリーに入り込むように強いた。
そして実際に観察を続けたマウスにもうつ状態が発生した。10日後、マウスには無感覚症の兆候が表れ始め、喜びを感じなくなった。研究者らはこのことを、マウスは普通の水より甘い水を好んで飲むことを止めてしまったという状況から理解した。
観察を行ったマウスには抗うつ剤による治療が試みられたが、効果は長続きせず、うつ病の一連の症状は数週間後に再び現れ始めた。研究者らはこのことは、現時点ではうつ病を簡易で早期に治療できる方法がないことのさらなる証拠となっていると見ている。
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