国際社会は、バイデン氏が米大統領に就任したことで米中間の軍事衝突の脅威はなくなると期待していた。しかし、この期待に応えることはなかった、とフィガロ紙のセバスチャン・ファレッティ論説員は述べる。それどころか米中は無慈悲な戦略的競争への準備を続けている。例えばバイデン大統領は「復活する巨人」である中国を抑止するため軍事政治網の形成を始めている。一方の中国は米国のシグナルを完全に無視し、アジア太平洋地域における軍事プレゼンスを拡大し続けている。「そのため太平洋には依然として紛争の亡霊が漂っている。それは海上あるいは空の衝突やミスで一気に燃え広がる可能性がある」と同紙は指摘する。
その「視覚障碍者と聴覚障碍者の対話」を、突然の紛争に巻き込まれることを懸念しながらアジア諸国が見守っている状態だと同論説員は述べる。論説はシンガポール外相の言葉で締めくくられている。シンガポールは「すでにナイフを握り」睨み合った状態の米中双方と信頼関係を維持しようと努めている。「最も大事な問題は、米国と中国が紛争を回避して協力できるか、あるいは競争できるか。その他のことは二次的に過ぎない。」
スプートニク通信では以前、アジア太平洋地域における中国抑止となり得る米英豪の新たな軍事同盟について詳しく取り上げた。
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