キエフでは6日、市内のバビ・ヤールで80年前に発生したユダヤ人のジェノサイドを追悼するメモリアル施設「嘆きのクリスタル壁」の除幕式が開催され、ウクライナ大統領、ドイツ連邦大統領、イスラエル大統領が参加した。
除幕式に参加したシュタインマイアー大統領は同じく出席していたイスラエル大統領に呼びかけた中で、次のように発言した。
我々ドイツ人は、歴史の教訓を永遠に学びとったと私はとても強く言いたいところであります。しかし、残念ながら、そう申し上げることは私にできません。ドイツで反ユダヤ主義の気運が高まっていることに私は胸を痛めています。反ユダヤ主義と人間に対する憎悪を撲滅するための戦いは続きます。
キエフにあるバビ・ヤール渓谷では1941年9月、およそ3万4000人のユダヤ人が銃殺され、バビ・ヤールは東欧におけるホロコーストのシンボルとなった。これは第二次世界大戦中で一度に虐殺されたユダヤ人の数としては最大規模となった。1941年から43年にかけてナチスドイツはバビ・ヤールで7万人から10万人のユダヤ人を殺害し、これによりキエフからユダヤ人は姿を消した。また、バビ・ヤールではジプシーやウクライナ人、ロシア兵の捕虜、精神病院の患者等なども虐殺された。
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