医療用インプラントの表面は、抗生物質に耐性を持つ細菌のバイオフィルム形成にとって理想的な環境(バイオフィルムを形成した細菌は、個別に存在する細菌よりも数千倍強い耐性を持つ)。インプラントは黄色ブドウ球菌のバイオフィルムで覆われることが多い。黄色ブドウ球菌は抗生物質が効かないため、インプラントを除去しなければならない。
肺炎マイコプラズマは細胞壁を持たないため、ブドウ球菌のフィルムを破壊する特殊な酵素を標的まで送達するのに適している。
研究チームは、まず肺炎マイコプラズマのゲノムを改変して増殖できないようにし、次に調整を行ってバイオフィルムの溶解や、バイオフィルム内細菌の細胞壁の攻撃を行う2つの異なる酵素を生成し始めるようにした。
実験的治療法は、感染したカテーテルを挿入された実験用マウスでテストされた。
ゲノムが短縮された肺炎マイコプラズマの改変細菌を含む薬剤の注射により、感染したマウスの82%が治癒した。
研究者チームは、2023年に臨床試験を実施し、その後、「生薬」の大量生産に移る計画。
関連ニュース