進化の急激な変化は1977年から1992年にかけて始まったが、当時、象牙が集中的に密漁されていた。
軍事的衝突の際、戦闘を行うのに金銭が必要だったことから、当事者らは手に入れた象牙の売却に依存した。このことで象の個体数が約90%も減少することになった。
プリンストン大学のシェーン・キャンベル-ステートン氏の率いるグループは、生物学的視点からこの現象の研究を行った。動物の個体数のモデル化と野外観測の経過データを使い、研究者らは、急激な密漁そのものがこうした変化を引き起こしたことを明らかにしている。牙のない状態で生まれる子象の性別は雌だけで、遺伝的変化は性別に関連していることが証明されている。
研究者らは、象の遺伝子を調べ、AMELX遺伝子を含めた一連の遺伝子がこのことに関わっている可能性があることを明らかにした。人間においては、この遺伝子が、象の牙に相当する切歯の成長抑制に関係している。
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