同紙によると、月で採取された土壌から酸素を直接抽出する実験は、小型の装置を使い2500度まで温度を上げて行われた。月の土壌には、酸化チタンや鉄の酸化物が豊富に含まれており、高温にすると酸素と金属が放出される。中国の月探査計画では、月の土壌を高温にすることで、宇宙飛行士が月で呼吸するための酸素だけではなく、使用可能な原材料を生産することを目指している。
「嫦娥5号」のミッションを担当する中国の専門家らは、この方法で月の土壌100キログラムから最大で30キログラムの酸素を抽出できると明らかにした。この方法をマスターすることは、中国とロシアが将来、月面での計画を行う上での条件の1つになるという。両国は、2035年までに科学研究のための月面基地を建設し、月に滞在する人々に酸素を安定的に供給することで合意している。この計画では、太陽パネルから供給される電力によって、土壌からの酸素の抽出と副産物などの回収が実施されるという。
スプートニクは以前、ロシアと中国が2026年から2035年にかけて国際的な月面基地を建設する計画について報じている。
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