カナダの司教団はフランシスコ教皇を同国に招待し、先住民との和解を目指した取り組みを進めることを提案した。これに対し教皇は、カナダを訪問する意向を明らかにした。時期については今後、調整されるとのこと。
カナダのブリティッシュ・コロンビア州カムループスの先住民寄宿学校跡地から215人の子どもの遺体が発見されたことを受けて、フランシスコ教皇はカトリック教会に対しメッセージを送り、「このような衝撃的なニュースに胸を痛めているカナダの人々に心を寄せる」と述べ、政治、教会の責任者がこの悲劇の解明に確固とした協力を続け、若いと癒しの道のりを進むよう望むとの希望を表した。
今回の出来事についてフランシスコ教皇は、イデオロギー的なものを含め、植民地主義的なモデルを脱し、対話と相互尊重のうちに歩み、カナダのすべての人々の権利と文化的価値を認める必要性を指摘した。
先にカナダのカムループスでは、先住民の児童用に建てられた寄宿学校の跡地から200人を超える遺骨が発見された。こうした寄宿学校は1890年から1969年にかけてカトリック教会の管理で運営されてきた。寄宿学校はその後、カナダ政府の管理下に移行し、1978年まで機能していた。先住民のための寄宿学校のシステムを研究するエレン・ターペル・ラフォンド氏は、「遺骨の発見は、学校に送った子どもたちが帰ってこなかったと先住民が長年言い続けてきたことを裏付けるものだ」と述べている。同氏は、子どもたちの死が身体的・性的虐待によるものであることから、記録されていないとみている。
こうした寄宿学校では少なくとも3200人以上の児童が犠牲になったと推測されている。
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