国際外交官芸術展に駐ロシア日本大使夫妻が出展、ロシア人もびっくり 10月26日、モスクワで1日だけ、ユニークな展覧会「第3回国際外交官芸術展」が開かれた。ロシアで働く各国の外交官が、自身の絵画や彫刻、写真などを持ち寄ったもので、どれも趣味の作品とは思えないような、ハイレベルなものばかりだ。上月豊久駐ロシア日本大使と、大使夫人の上月裕子さんも、それぞれ油絵とイコン(聖像画)を出展した。特に裕子さんのイコンは、来場したロシア人を大いに驚かせた。 文・写真 徳山あすか |
会場を訪れた画家のニコライ・ドブリン氏は、イコンの精神性について説明してくれた。「正教会のイコンは祈りであり、神に通じています。プロの画家だからといって誰でも描けるものではありません。イコンを通して愛や信仰の真髄を表現することは難しいのです。私もチャレンジしたことがありますが、作品には満足していません。正教会のイコンは神秘的で、ある種の秘密を含んでおり、まるで暗号のように色々な記号や表現が組み合わさっています。イコンそのものがカノン(正典)であり、芸術の中の芸術です。裕子さんのイコンからは本物の美しさが感じられたので、あなたは正教会の信徒ですか?と思わず聞いたほどです。このイコンはロシアの教会に置いて、その前で神に祈ることができるほどの出来栄えです。」