モスクワ芸術座のトップ交代について演劇人同盟議長が反発

ロシア連邦演劇人同盟のアレクサンドル・カリャーギン議長はチェーホフ記念モスクワ芸術座の芸術監督に俳優のコンスタンチン・ハベンスキー氏が任命されたことをインターネットを通じて知った。これを受け、演劇界全体に影響する重要な判断は専門家らによる議論なしに行うものではないと政府の対応を批判した。
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先にロシア連邦文科省はプレスサービスを発表し、俳優のハベンスキー氏がモスクワ芸術座の芸術監督に任命されたことを明らかにした。前任者のセルゲイ・ジェノヴァチ氏は「自らの希望で」芸術監督の座を辞していた。
カリャーギン議長は取材の中でこのようにコメントした。
実に面白い!チェーホフ記念モスクワ芸術座をコンスタンチン・ハベンスキーが率いることを私はネットで知った。考えてもみて欲しい。ロシア連邦演劇人同盟の議長にとってこれは極めて不思議なことだ。セルゲイ・ジェノヴァチが就任した際はこの点についてどう考えるか、(文科省は)伺いを立てた。しかし、「自らの希望で」辞めるとなると、誰も伺いを立てない。私が怒ったということではない。私は腹を立てるような小娘ではない。しかし、私が思うに……重要な問題、さらには人事に関する重要な問題を専門家を交えた議論を抜きに決定すべきではないのだ。
カリャーギン議長によると、ゴーリキー記念モスクワ芸術座の総支配人交代についてもマスコミの報道で知ったという。
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私はロシア連邦文科省に連絡したなかで、同盟としての候補者を推薦した。この状況について私が何を考えているか関心があれば、私はこのように答える。モスクワ芸術座は演出家の劇場として誕生した。まさにこの劇場で演出家の概念がロシアで生まれた。単に優秀な俳優だからといって、劇場指導者やマネージャーの経験がない人間にこの劇場を率いることはできない。モスクワ芸術座はただの劇場ではない。これはロシアを代表する主要な劇場の一つだ。

このようにカリャーギン議長はコメントし、文科省の対応に反発する姿勢を示した。
カリャーギンはロシアを代表する俳優で演出家。「機械仕掛けのピアノの未完成の戯曲」(ミハルコフ監督)をはじめとする映画にも出演し、世界的に知られている。カリャーギンは演劇人同盟の議長に加え、エトセトラ劇場の芸術監督も務める。
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