ワクチンの必要性を説く女帝エカテリーナ2世の書簡 ロンドンでオークションへ

18世紀後半のロシア帝国の女帝エカテリーナ2世が天然痘の予防接種の必要性を説いた書簡が、ロンドンでオークションにかけられる。エカテリーナ2世は手紙で、天然痘の予防接種を行わなければ「特に民間に多大な被害が出る」として、国家レベルでの予防接種の手配方法を説明している。ロシアのビジネス紙RBKがオークションハウスの代表者への取材記事を掲載した。
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エカテリーナはクリミアへの旅の途中で元帥のピョートル・ルミャンツェフ伯爵に宛てて書簡を出した中で、「職務上のもろもろの中でも最重要事項の一つが予防接種の制度である」と書いている
エカテリーナ2世は1768年、ロシアと欧州全土が天然痘の感染拡大のピークにあった時、ロシアで誰よりも先に天然痘の予防接種を自分に対して行った。当時の接種方法は、腕に数か所つけられた傷の上に、天然痘患者から採取の膿を染み込ませた糸を置いて擦り付けるなど、特殊だった。こうした方法でワクチン接種を済ませた市民の死亡率は未接種の市民の20分の1で済んだ。
このエカテリーナ2世の書簡はロシアで初めてのワクチン・キャンペーンを語る初の史書であり、ドミトリー・レヴィツキーの筆による女帝の肖像画とともに唯一無二の出展物となる。書簡の評価額は80万から120万ポンド。ロットは11月19日から30日までモスクワのタガンカ地区のズボフ氏の邸宅で公開され、翌日12月1日、ロンドンでオークションが実施される。
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