NHKの報道によれば、シュミレーションはトリチウムの濃度を1リットル当たり1500ベクレル未満(日本政府の定める基準の40分の1)に薄め、年間の総放出量を事故発生の前の目標と同じ22兆ベクレルに設定して行われた。その結果、原発の周辺の2キロから3キロの範囲は現在の海中の濃度より高い1リットルあたり1ベクレル以上が示され、汚染水を原発から1キロ沖合まで通す、海底トンネルの出口の真上付近では、1リットル当たり30ベクレルの高濃度が示されたものの、東電は汚染水は周辺に拡散する過程で速やかに濃度が低下したと報告している。
さらにこの結果を踏まえ、沿岸部の漁業関係者の被ばく量をシュミレーションした場合、平均的に海産物を摂取する人の被ばく量は、1年間の許容被ばく量の1ミリシーベルトの6万分の1から1万分の1になったと東電は報告している。こうした結果から東電は汚染処理水の海洋放出による被ばくの影響を極めて軽微と発表した。
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