本当に必要なのか?
沖縄の航空基地にのみ航空機を配備するのは極めて脆弱だ。一発のミサイルですべての航空機が破壊されてしまう。そのため、航空機は分散させなければならない。
沖縄県の離島には複数の民間空港がある。航空自衛隊は複数の選択肢を検討した結果、F-15J、F-2、F-35A機に適しているのは、滑走路長3000メートルの下地島空港(AIS Japan調べ)だけという結論に達した。この結論は、軍用機の離発着には2200〜2400メートルの滑走路が必要なためだ。しかし、これより滑走路の短い他の空港が検討されないとは言い切れない。
離陸に何フィート必要なのか?
この問題にはいくつかのポイントがある。実際には、離陸滑走距離と着陸滑走距離は、航空機の重量、エンジンのモード、パイロットの経験に大きく依存する。
例えば、ロシアのMiG-29(F-16やF-2に相当)は、通常モードでは最大700メートル、アフターバーナーを使用した場合は260メートルの滑走距離で離陸する。
F-15Jの離陸滑走距離は274メートル、パラシュートなしでの着陸滑走距離は762メートルである。F-16(F-2)の離陸滑走距離は533メートル、着陸滑走距離は807メートル。日本の航空自衛隊が運用しているF-35Aについては、このようなデータがない。しかし、離陸重量と推力でF-15Jに匹敵する航空機が大幅に劣るとは考えにくい。F-35Aの離陸滑走距離は約300メートル、着陸滑走距離は約860メートルになるだろう。
もうひとつ考慮すべき要因がある。与那国島、西表島、石垣島、宮古島は尖閣諸島から南東にわずか160キロメートルしか離れていない。つまり、航空機は燃料を満タンにする必要がないのだ。満タン時に比べて燃料重量を40~50%削減でき、航空機の離陸重量を減らすことができる。これにより、離陸滑走距離を短くできる。
戦闘機が2200〜2400メートルの滑走路を必要とするのは、飛行の安全性を確保し、エンジン、ブレーキ、ランディングギアのタイヤの消耗を最小限にしなければならない平時の場合に限られる。戦時になれば、航空機が離陸し、戻ってきたときに着陸できさえすればよいのであり、上記のような制限はなくなり、パイロットもリスクを取る。すなわち、必要な滑走路長は非常に短くなるのだ。
滑走路のデータ
AIS Japanによると、沖縄県には沖縄本島を除く離島に13の民間空港(閉鎖された空港を含む)がある。これらの空港のすべてについて、滑走路長(単位:メートル)が公開されている。
沖縄県における民間空港の滑走路の長さ
空港名称 | 滑走路の長さ(単位:メートル) |
下地島 | 3000 |
新石垣(南ぬ島) | 2000 (2500まで拡張可能) |
久米島 | 2000 |
与那国 | 2000 |
宮古 | 1980 |
北大東 | 1500 |
伊江島 | 1500 |
南大東 | 1500 |
石垣 | 1500 |
多良間 | 1500 |
波照間 | 800 |
粟国 | 800 |
慶良間 | 800 |
このうち、すべてのタイプの軍用機に対応できる県内の空港は約10ヶ所である。
民間空港に軍用機を配備するには、整備や修理、弾薬の保管や準備、給油のためのインフラや倉庫の建設が必要になるのは確かだ。シェルター、兵舎、技術系施設、司令センターなどを建設する必要がある。しかし、いざとなれば最低限のインフラは数日で展開することができる。
これらの空港は燃料と弾薬の補給にのみ使用することができる。しかし、たとえこれらの空港が限られた機能しか持たないとしても、航空機の利用率は飛躍的に高まる。日本の航空機は、例えば宮古空港を離陸後、約8分で尖閣の上空に到達できる。中国のパイロットが尖閣に到達するにはもっと時間がかかり、これは日本のパイロットにとって優位な要素である。
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