女子シングルではシェルバコワ選手が77.94ポイントで首位発進した。2位と3位には同じくロシアのアリョーナ・コストルナヤ選手(76.44)とクセニヤ・シニツィナ選手(69.89)が続いている。
ロシアのタチヤマ・タラソワ功労コーチはリアノーボスチ通信の取材に応じた中で、シェルバコワ選手の演技は突出していたとコメントした。
シェルバコワはとてもよかった。そしてプログラムもよかったし、あの子は音楽をちゃんと聞いている。すべて良かった。アリョンカ(コストルナヤ選手)も実によかった。でも、シェルバコワが断トツだった。
コストルナヤ選手は今シーズン、トリプルアクセルを復活させているものの、滑走直前にトゥトベリーゼ・コーチからダブルアクセルで行くよう指示されたという。選手はトリプルアクセルを成功させる自信はあったものの、コーチに楯突くことはしないでダブルアクセルで行くことを演技をしながら決意したとのこと。また、ステップシークエンス以外の要素はほぼ全て満足しているともコメントした。SPでコストルナヤ選手は”New York, New York”の音楽で演技を披露した。楽曲変更の理由について、選手は次のように語った。
昨シーズンのプログラムは気に入っていたけれど、コーチと私で変えることにしました。というのも、このプログラムはもっと理解しやすいし、私が何を表現しているのかもわかりやすいから。
ペアでもロシアは首位の発進となった。ボイコワ/コズロフスキーはSPの滑りを終え、77.17ポイントで首位に立った。2位には同じくロシアのユリヤ・アルテミエワ/ミハイル・ナザルィチェフ組(73.02)、3位にはカナダのヴァネッサ・ジェームス/エリック・レッドフォード組(71.84)が続いている。
ボイコワ/コズロフスキー組はチャイコフスキーの名曲「白鳥の湖」でSPの演技を披露した。2人はともに芸術の都、サンクト・ペテルブルクの出身であることから、チャイコフスキーの音楽はとても身近だという。
この音楽は私たちの血の中に流れているので理解しやすいですし、感じやすいです。そのため、私たちも楽になりますし、伝えることも容易になります。リンクの上でこの音楽を聴くと、どの旋律も心の奥まで行き届くので、素晴らしい感覚に包まれ、演技が実に楽になります。
リズムダンスではフランスのガブリエラ・パパダキス/ギヨーム・シゼロン組が圧巻の演技で89.08ポイントの記録を叩き出し、首位で発進した。2位にはカナダのパイパー・ギレス/ポール・ポワリエ組が2位(81.35)が続き、ロシアのアレクサンドラ・ステパノワ/イワン・ブーキン組(79.89)は3位の発進となった。
今年のGPシリーズでは2戦目となる今回の演技について、ステパノワ選手はスコアの低さに驚きを露わにした。
イタリアよりも、最初の大会よりも良い演技ができたと思っていました。どうしてあの時よりも2ポイント下がっているのか、私たちはまだ理解できていません。ですが、現時点では自分たちの演技に満足しています。
この評価についてはタラソワ功労コーチも憤りをあらわにした。
カナダのペアはたいしたものを見せなかったのに、私達の選手よりも1.5ポイント上に立ちました。本当にこれは確かなことですが、私達の選手の方が遥かに素晴らしかったです……ジャッジの問題です。
男子シングルでは日本の鍵山優真選手が100.64ポイントで首位に立ち、2位と3位にはラトビアのデニス・ワシリエフ選手(89.76)と米国のジェイソン・ブラウン選手(89.39)が続いた。ロシアのドミトリー・アリエフ選手は85.05ポイントで5位にとどまった。
SP終了後の取材でアリエフ選手は精神的トラブルを抱えていることを明らかにした。
精神的な問題を競技に参加することなく解決できるか。これは大変で、ほとんど不可能だ……競技から逃げるつもりはない。というのも、そこに意味はないから。戦わなくてはいけない。GPシリーズに出させてもらえるなら、体調が万全でなくても出場する。結果には満足しているとはいえ、最大限でない。より良い演技を見せたい。
このようにフリースケーティング(FS)への意気込みを語った。
FSは現地時間で20日に開催される。