バビシュ首相はV4サミット後の記者会見で、ポーランド政府に対し、警察または軍の支援提供を表明した。
ポーランドとベラルーシの国境で発生している情勢については、「完全に受け入れ難い」と評価し、ベラルーシの「ルカシェンコ体制の振る舞いがあらゆる枠組みを超えている」ことから、欧州連合による制裁を支持し、これを早急に発動する必要性を指摘した。ただし、軍の派遣にはチェコ議会の承認が必要となる。
ポーランドのマテウシュ・モラヴェツキ首相はV4サミット後の会見で、チェコ政府が示す高度の連帯に感謝すると表明した。
ベラルーシとポーランドの国境の移民危機
ベラルーシとポーランドの国境での移民危機は、2021年の春の終わりから続いている。5月26日、欧米諸国との関係の悪化に再び直面したベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、欧米の制裁が原因で不法移民の流入を留める「資金も力もない」として、移民のコントロールを緩和すると表明した。
この発言後、ベラルーシへのシリア、エジプト、アフガニスタン、パキスタン、イエメン、イラン、ナイジェリアからの増便に刺激され、移民が大波のごとく押し寄せ始めた。移民らは10月中旬までの間は、ミンスク空港に到着次第、その場でベラルーシのビザが取得でき、そのあとはベラルーシの旅行会社が移民を受け入れ、宿泊、国境までの輸送を提供していた。
11月8日、ベラルーシとポーランドの国境に集結した中東、アフリカからの移民が3000人を超えた時点で事態はエスカレートした。移民の大部分はEU圏入りを狙うクルド人。これに対してポーランド当局は国境警備を強化し、軍部隊を配置し、不法入国の阻止を図ったため、双方の間で度重なる衝突が発生した。
ベラルーシからポーランドへの不法越境の試みは2021年に入ってから、すでに3万4000件以上記録されており、そのうち6000件が11月に集中している。ポーランドは、東欧からの不法入国者がたどる移民ルートの形成は断じて許さないと表明した。消息筋によれば、ドイツもこれらの移民の受け入れを急いでいない。こうした中、厳しい冬を前に移民の一部からはこのままベラルーシに留まる可能性を求める声もあげられている。
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