これまで、地球で約5200年前に始まった長期冷却が海洋表面および深部の平均気温の急速な低下をもたらし、それが南極の氷床形成につながったことは解明されていた。しかし3400年前に起こった巨大な南極の氷河面積の急激な拡大については、原因は長い間突き止められずにいた。
地質データと古気候データを組み合わせることにより、研究者らは世界海洋の進化モデルを構築し、南極の大規模な氷の蓄積は、ちょうど3400万年前に起こった地殻変動により、南極海航路が600メートル深くなったことが原因であると発見することができた。この海底深化により海水表面は急激に冷却され、いわゆる南極周極流が発生し、南極に温かい海表水が流入するのを差し止めている。
しかし南極の氷河が急激に増えた原因は、地殻変動だけではなかった。研究者らによると、まさに3400万年前の同時期に地球大気の二酸化炭素濃度が大きく下がり、地球全体の寒冷化を招いたという。研究チームは、地殻変動と急激な地球全体の冷え込みが同時期に重なり、南極の巨大な氷床の増加につながったとしている。
現在、地球では逆現象が起こっている。地球温暖化により南極・北極で氷河が溶け始めている。スプートニク通信では以前、2021年5月に世界最大の氷山が南極から分離し、氷床の融解プロセスを加速化させていることを取り上げた。
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