退任にあたり、山中氏は「この数年は、研究者としての最後の期間は自身の研究に注力したいという思いが日に日に強くなっていました。基礎研究者としてiPS細胞や医学・生物学の発展に貢献できるよう全力を尽くします」とのコメントを発表した。
山中所長は2010年の研究所設立以来所長を務め、2006年にはマウスでiPS細胞(人工多能性幹細胞)の作製に成功したと発表。2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。退任後も教授として、引き続きiPS細胞の研究を進めるという。
次期所長には、同研究所でiPS細胞を使ったパーキンソン病治療に関する治験を進める高橋淳教授(60)が就任する。高橋氏は「身のひきしまる思いです。研究所を立ち上げ軌道に乗せてこられた山中所長の長年のご努力に心から敬意を表します」とコメントした。
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