日本では現在、ウナギはご馳走として扱われている。静岡県浜松市で鰻屋を営む蜂須賀強さんによれば、うな重1膳の値段は、店を開いた当時の3倍近くになっているという。
世界には19種・亜種のウナギが生息しているが、その多くが現在、絶滅の危機に瀕している。ウナギの保護にはその複雑な生態や繁殖方法を正確に把握する必要があるものの、これらの問題もまた、謎に包まれている。
水産総合研究センターでは2010年、シラスウナギの完全養殖の実験に成功した。しかし、養殖のウナギは天然よりも成長が遅く、また飼育にかかる手間やコストが高いため、市場に出回るようになるまで時間がかかるとみられている 。
東京大学大学院農学生命科学研究科の黒木真理助教は、消費者がさらに意識を持つことがウナギ保護につながる最善の方法だと語る。「貴重な天然資源であることを忘れず、ウナギ1匹1匹に感謝する必要があります」