NYT紙によると、犠牲者数の正確な数値を特定することは不可能であるものの、ペンタゴンが認めたよりも遥かに多くの市民が死亡したことは確かだという。NYT紙の記者は空爆が行われた場所を100か所以上、実際に訪れ、被害状況を独自に分析したほか、現地住民や米国政府の元高官や現職の高官にインタビューを実施してきた。
軍の統計によると、過激派組織「ダーイシュ」(IS、イスラム国)の掃討作戦で実施した空爆により、イラクとシリアでは1417人の民間人が死亡した。またアフガニスタンでは、2018年以降の空爆で188人の民間人が死亡した。しかし、NYT紙の分析によると、数百人の死亡例が報告されていなかったという。
報道によると、十分な調査が行われたのは全体のわずか12%だという。多くのケースにおいて被害状況の検証は空爆を命令した司令部が責任を負っている。調査は不確かな証拠、あるいは不十分な証拠をもとに行われたほか、犠牲者に関する情報は体系的に「除外」されてきたという。また、米国による補償が支払われたケースは10件にも満たないとのこと。
NYT紙は11月、米軍が2019年3月にシリアで実施した空爆で数十人の民間人が死亡していた事態が隠ぺいされていたと報じた。報道によると、米軍はこの事態について調査さえ行わなかったという。
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