地球温暖化の影響で氷床および氷河の融解、後退が起きていることは知られている。北海道大学、東京大学、海洋研究開発機構が合同で、地球温暖化を条件に南極の氷床が長期的にどれほど融解するかを調査し、3000年までに起こりうる様々な要因を考慮した上で南極大陸全域とその周辺の氷の層全体の変化のシナリオを分析した。
モデリングの結果、温暖化が止まらない場合、南極の氷の融解によって世界海洋の上昇レベルは2100年までにさらに30センチメートル、3000年には5.4メートルに達する恐れがあることがわかった。ただし、温室効果ガスの排出が削減された場合は、この数値は推定でそれぞれ3センチ、0.32メートルになる。
研究者たちはこうした高い海面上昇を起こす主な危険因子として、海面より著しく低い位置にある西南極の氷床が海に崩れ落ちる可能性を指摘している。
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