胎児はベイビー・インリヤン(英良)と命名された。胎児の年齢は7200万歳から6600万歳で頭からしっぽまでの体長はおよそ27センチ。卵自体の長さは15センチメートル強。実はインリャンは2000年の時点で発見されていたものの、他の化石とともに保存庫に入れられていた。中に貴重なものが隠されていることは2015年、広州にインリャン石自然石史博物館の建設作業中でようやくわかったという。
バーミンガム大学の研究者フィオン・ワイズム・マ氏の話では、「これだけ良好な状態で恐竜の胚が発見されたことはかつてない」ただし恐竜の体の一部は化石に覆われているため、再現にはスキャンニングが必要とされている。
インリアンの研究により、恐竜と現在の鳥類との関連性が立証された。例えば、インリアンの皮膚は小さな羽毛で覆われているが、これと似た羽毛はニワトリなどの胎生にも見られる。しかも、胚は卵の中で丸まった状態で見つかったが、こうした姿勢は孵化直前の鳥類に特徴的。マー氏は「これは現在の鳥類の行動が、恐竜の祖先にまず出現し、進化したことを示している」と指摘している。
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