今年、国際大会でロシアの女子と争うチャンスがあったのは、成立はしなかったグランプリファイナルの出場者リストから判断すると、わずか坂本花織のみ。ファイナルまで勝ち残った他の5人全員は、ロシアから大阪へと乗り込み、GPファイナルが今シーズンのトップらが一堂に会する初の大会になるはずだった。
ところが新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」の出現でトップ選手らの顔合わせはややずれてしまった。12月23日、ロシアの北の都サンクトペテルブルクで国内選手権が開幕。ここまで怪我をせずにたどり着いたロシア代表のトップらが総出でパフォーマンスを披露する。このわずか数日前、欧州チャンピオンのアリョーナ・コストルナヤが怪我で本大会を辞退し、またその前の時点で同じくトゥトベリーゼ。チームのダリヤ・ウサチョワも負傷のためにGPの日本のステージに出られなかった。
ロシアにはオリンピック代表を決める明確な基準はないものの、スポーツ関係者の口からは幾度となく、国内選手権で3位以内に入ることが五輪出場の第一歩となることが繰り返し指摘されている。今季のロシアには各種目とも3つの出場枠があり、熾烈な戦いが予想されている。普通、国内選手権の1位2位は次の国際大会(最も近いのは2022年1月、タリンでの欧州選手権)への出場権を獲得し、3位はコーチ陣と連盟が決定する。
このため欧州選手権での成績が、北京五輪に国を代表して出場できるか、否かを最終的に決める。男子ダンス、ペア、アイスダンスの競技はすでに始まった。ロシアで五輪出場権を賭けた最も激しい競争を展開する女子は、明日、氷上に登場する。