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2021年は気候危機解決への一歩、それとも回帰不能点か?

英グラスゴーで11月13日、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が終了した。この会議に全世界が注目した。COP26は、その行く末に地球にいいことは何もない危険な道から人類が逸れるのを遂に助けるだろうと思われた。
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COP26の主催者は、会議は2015年のパリ協定に記載されている気候変動の抑制に関する目標を達成するための重要な一歩となる可能性があると発表した。COP26では何について合意に至り、どのような問題が未解決のまま残されたのだろうか?
COP26は約2週間にわたって開催され、世界197ヵ国から4万人が参加した。一方、アントニオ・グテーレス国連事務総長を含む多くの専門家は、COP26の結果について、これは妥協であり、地球を救うためは不十分だということで一致している。COP26の想定外の成果へ移る前に、まずは失敗から見てみよう。

気温上昇を1.5度以内に抑える

学者たちは、パリ協定で掲げられた1.5度という目標が「最悪のシナリオの中で最高」のものだと考えている。なお、このシナリオでは、世界人口の約14%が少なくとも5年に1度の割合で異常な猛暑に見舞われる。
COP26の結果は、予想された2030年までではなく、今世紀末までに地球温暖化を2.4度までに抑えることを可能とする。現在までに世界の気温は産業革命前に比べて約1.1度上昇した。今年2021年は、170年間の観測史上で最も暑い年の上位7位以内に入った。

スキャンダルも起こるー石炭の時代は終わらない

成果文書の合意では妥協することになった。文書では、世界最大の石炭輸入国である中国やインドの求めにより、石炭の使用を「段階的に廃止(phase out)」するという表現が、「段階的に削減(phase down)」するに修正された。
COP26のアロック・シャルマ議長は、成果文書の合意プロセスについて感情的に謝罪することになった。

想定外の成果

COP26の歴然たる失敗を背景に、想定外の成果はそれほど注目されなかった。COP26は回帰不能点にはならなかった。多くの重要議題について合意に至った。成果を振り返ってみよう。
米国と中国は、COP26の場で気候変動対策での協力に関する宣言に署名した。
参加国は、2025年までに気候変動へ適応するための資金を年間約400億ドルに倍増することで合意した。
また先進国は、少なくとも年間1000億ドルの気候資金を動員することで合意した(現在は年間約800億ドル)。
40ヵ国が石炭に関する声明に署名し、石炭火力の廃止を約束した。より豊かな国は2030年代に、より貧しい国は2040年代に石炭火力を廃止する方針。
40ヵ国が、8年後に森林破壊を止めることに合意した。
米国と欧州連合(EU)加盟国を含む108ヵ国が、メタン排出量を2030年までに削減するグローバルパートナーシップを発表した。
各国は、「主要市場」では2035年までに、世界全体では2040年までに、内燃機関車を禁止することを約束した。

2022年に待つものとは?

2022年の国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)は、エジプトで開催される。各国は取り組みについて報告する。気候変動対策について合意できるかどうかは、誰にもわからない。
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