25日、サンクトペテルブルクのフィギュア・ロシア選手権の3日目の目玉はなんといっても女子のフリースケーティング(FS)。この後、北京オリンピック行の切符を手にする人物が「決定的に」決まる。スプートニクは、戦いを逃げ切るのは誰か、どの選手の間でロシア代表の3位争いが展開されるかをお伝えします。
多すぎる強豪 少ない出場枠
宣言されたFSプログラム内容を見れば、ロシア選手権が世界の女子の戦いの中で最も過酷な大会であることがわかる。順位が下がれば下がるほど、背負うリスクは当然膨らむ。
前日のショートプログラム(SP)は予想通りの結果と予想外の結果で幕を閉じた。1位は、今シーズンのここまで負けなしのカミラ・ワリエワ(15)。女子シングルの世界記録のタイトルを持つワリエワは、ライバルに対してさらに大きく引き離した。ワリエワは90.38点を確保し、2位の世界チャンピオン、アンナ・シェルバコワ選手(17)(81.46)に9点もの差をつけた。
3位と4位には、ジュニアのソフィア・ムラビヨワ選手(15)(80.87点)とソフィア・サモデルキナ選手(14)(76.74点)がそれぞれメダルを目指して戦っているが、彼女らは年齢制限のためまだ国際大会に出場できない。このため五輪出場枠を賭けて戦うシニアとは一線を画す存在となっている。
次の候補はSPで転倒し、74.21点で5位に甘んじたアレクサンドラ・トルソワと、SPでトリプルアクセルを転倒し、7位に下がったエリザベータ・トゥクタミシェワ(71.28点)だ。同じく五輪出場枠を争い、4回転ジャンプが跳べるマイア・フロミフ(15)は69.36点で9位に入っている。
プログラム内容 複雑化か、安定志向か?
インタビューで選手らが何をどう言おうと、観客も記者団も彼女たちが今、ロシア代表内の順位争いだけでなく、様々な意味でオリンピックのメダルをかけて戦っていることは百も承知だ。このためSPで3位以内に入れなかった選手にはまさに今しかない。
彼女らがFSに宣言したプログラムはこれを踏まえて決まる。トルソワは5つの4回転ジャンプを宣言した。4回転フリップ、4回転サルコー、4回転トゥループ、4回転ルッツと3回転トウループの連続、4回転ルッツとオイラー-3回転サルコーのカスケードを予定している。16点もの差をつけられた首位のワリエワに追いつくにはこの方法しかないのだろう。だがトルソワがこれだけ複雑なコンテンツを果たしてノーミスで決めることができるのか。それはまた別の話だ。
ジュニア世界チャンピオンのワリエワはプログラム内容にトリプルアクセル、4回転サルコー、2つの4回転トゥループを入れた。
世界チャンピオンのアンナ・シェルバコワは4回転フリップを1回、マイア・フロミフは2つの4回転ジャンプ(連続サルコーとソロのトゥループ)をプログラムに入れている。
2015年世界チャンピオンのエリザベータ・トゥクタミシェワは、ダブルトゥループとソロのトリプルアクセルによる連続トリプルアクセルを入れた。