現在、すでに米国と英国、フランス、ノルウェーといった国々が、今後のエネルギーと産業および輸送といった経済分野での脱炭素化を目的に、原子力発電所を利用した水素生産に取り組んでいる。ニキぺロフ氏は、「アトムエネルゴマシ社は、このプロジェクトを通じ、1度に2つの目的達成を目指している。1つは水素生産用の原子力発電所の開発で、もう1つはその蓄電・輸送設備の開発だ」と語った。
同氏は、「ロードマップにもとづけば、コラ半島に原子力発電所を建設するという、超高温原子炉開発の技術プロジェクトは2023年には終了する予定だ。この原子炉建設には、ロシア型加圧水型原子炉VVERのユニットが使用されることになる。この原子炉は現在、中国やインド、フランス、チェコ、ハンガリーといった世界各国で使用されている。原子力発電所の初ユニットは2032年末には始動が予定され、2035年12月には商業目的での水素生産用の原子力発電所の操業がロシアではじめてスタートする」と強調した。
ニキぺロフ氏によれば、化学試薬としての水素は、化学および食品産業、石油精製、冶金およびその他の産業に必要だという。この資源は、環境に優しいクリーンな自動車用燃料として、また、最大数千キロワットの容量の自動電源として広く普及している。
通信社「スプートニク」は以前、日本の研究者が開発した水素抽出用の特殊機器について紹介している。この機器は太陽光エネルギーを利用し大量の水から水素を取り出すことができる。
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