ノヴァク氏によると、2021年の世界の石油需要は日量450万〜500万バレル増加し、2022年はさらに約400万バレル増加する可能性がある。また石油相場はロシアの石油産業にとって快適なものになるという。ノヴァク氏は「現在の原油価格は1バレル=約75ドル(約8600円)程度だ。来年は我われにとって快適な1バレル=65ドル~80ドルになるだろう。市場のボラティリティが排除されていないため、意図的にこのような広い範囲を取っている」と述べた。また同氏は、2022年のロシアの予算は原油価格44.2ドル(約5100円)に基づいていると言及した。
ノヴァク氏は、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国でつくる「OPECプラス」の近い将来の行動については、「OPEC プラスの合意に参加する24ヵ国が署名した憲章は、無制限の協力期間を念頭に置いている。協力は、協議、情報交換、分析データなどの形で確実に続けられる」と述べ、OPECプラス参加国の原油生産調整に関する協調行動の必要性は市場状況のみによって決まると強調した。またノヴァク氏は、2021年のOPECプラスの活動を高く評価し、OPECプラスが選択した正しい戦略は市場を安定させ、原油生産の回復を可能にしたと述べた。
ノヴァク氏は、石油需要は今後10年間増加を続け、2022年から2030年までに日量約1億バレルから1億1000万バレルに増加すると予測した。なおノヴァク氏は、世界のエネルギー収支に占める石油の割合は減少する可能性があるが、石油の物理的な消費量はいずれにせよ増加すると指摘した。