2017年にポルトガルを襲った大火災は約5万3000ヘクタールを焼き尽くし、66人が死亡、485世帯が家屋を失った。大惨事の原因は、気候変動による記録的な熱波だった。この事実を踏まえ、10代の6人の若者が欧州人権裁判所に集団訴訟に踏み切った。
10代の若者たちは人権法に言及することで、欧州の政治家らに地球温暖化対策により本腰を入れさせようと考えている。アンドレ・オリヴィエラさん(13歳)、その16歳の姉のソフィアさんは4人の友人とともに自国の森林火災がもたらした被害を目の当たりにし、行動を起こす決意を固めた。ソフィアさん、アンドレさん姉弟は「訴えた相手は33か国です。多少怖いですが」と語っている。
アンドレさんは「僕らは自然 を失いつつある。僕の世代、そしてこれからの世代にも、僕らの親の世代と同じような特権を与えてあげたい」と語り、これにソフィーさんも「大人が間違った行動をとったとしても、子どもやティーンエイジャーには正しい判断ができる」と付け加えた。
33か国を相手取った提訴状で、子どもたちは、諸国の措置を地球温暖化の影響防止のためには不十分と非難し、それが原因で諸国は欧州人権条約に規定されている、自分たちの生命権、自由権および人身保護権を侵害していると主張している。
アンドレさんは「たとえ勝訴できなかったとしても、僕らが他の人たちに手本を示すことで、彼らも後に続いていくことができる。こうした動きは雪だるま式に増えていく」と語っている。
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