森林伐採が数百万人の生活にとって脅威に

米国デューク大学の研究者らは調査の過程で、過去15年にわたる大規模な森林伐採が、数百万人の熱帯地域での労働条件を著しく悪化させており、それは森林崩壊によって生じた高温多湿が1日の安全な労働時間を削減していることに起因していることを明らかにした。ガーディアン紙が報じた。
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米国の研究者らは気温と湿度について、また、2003年から2018年の94ヵ国の熱帯雨林の衛星データについて分析を行った。この研究から、研究者らは、樹木が周辺地域の冷却に役立っていることから、森林伐採が地域の気温上昇に直接的に関係しているという結論に至った。特に森林伐採が大規模な地域では、約10万人(9割はアジアで暮らしている)が1日の労働時間を2時間以上失っている。また、野外で肉体労働を行う約500万人が、朝と夜の時間帯でさえ少なくともさらに30分の労働時間を失っている。ガーディアン紙によれば、研究者らは、この喪失は、森林伐採が行われていない地域での温暖化による労働時間の削減と比べはるかに大きいと指摘している。
研究者らはまた、温暖化は人の気分や精神疾患に影響し、身体的・精神的な作業効率を低下させ、集中力の障害や倦怠感、焦燥感を引き起こすおそれがあると強調する。研究者らは、この研究結果は、自然を手つかずのまま保存するための根拠を地域住民に与えていると考えている。
通信社「スプートニク」は以前、ロシアでは違法伐採が厳しく罰せられることを紹介している。2021年11月、ロシアの裁判所は中国人に対し、木材密輸の罪で懲役7年という厳罰を言い渡している。
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