ニュースサイト「ヴェードモスチ」からのインタビューに答えたコサチョフ氏は、デモ参加者らは、社会・経済的および政治的な要求に対する当局の反応に2度も「気づかなかった」と指摘し、「つまり、これは経済的あるいは政治的な目的を持った抗議ではなく、クーデターと武力による政権奪取を目的とした暴動を意味しており、このことにより状況は異なってくる」と強調した。
またコサチョフ氏は、集団安全保障条約が初めて、暴動の鎮圧に向けた支援を行ったことについて、公式な要請を受けて、そのような任務を遂行することになったと明らかにし、こうした任務が行われるのは、今回の事件がテロリズムの要素を持つ外部からの攻撃事件という分類に基づいたものだと述べた。
カザフスタンでは天然ガスの価格が2倍に引き上げられた。これを理由に年明け以降、西部の産油地域であるマンギスタウ州では住民が抗議集会を開始し、この動きはその他の都市にも拡大した。南東部の旧都アルマトイでは4日早朝から5日深夜まで治安部隊と抗議行動の参加者が衝突、警察はスタングレネードや催涙ガスを使用した。この混乱を受けて国内全土で非常事態宣言が発令され、対テロ作戦が開始された。
5日早朝、カシムジョマルト・トカエフ大統領は内閣を総辞職し、ヌルスルタン・ナザルバエフ初代大統領に代わって安全保障会議議長に就任した。その初会合で同大統領は、カザフスタンの主権が崩壊の危機に瀕していると評価し、「テロの脅威を克服するため」集団安全保障条約機構(CSTO)に派兵を要請したことを明らかにした。この要請を受けてCSTO理事会は、カザフスタンに平和維持軍の派遣を決定した。
カザフスタンでは国外から侵入したテロリストが抵抗を続けており、トカエフ大統領は投降しないテロリストについてはせん滅すると警告している。
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