12日のロンドン金属取引所(LME)でニッケル価格が10年ぶりの高値を付けた。電気自動車(EV)の生産増加を背景にニッケル在庫が減少した。英紙フィナンシャル・タイムズが報じた。
EVの電池に使用されているニッケルは、4%高の1トン=2万2745ドルまで上昇した。ニッケル価格は過去1カ月で12%上昇したが、専門家らはさらに上昇すると予想している。
LMEは12日、LME指定倉庫のニッケル在庫が51日連続で減少したと発表した。中国のニッケル在庫は4860トンまで減少し、過去最低に近づいた。
オランダの商社トラフィグラのジェレミー・ウィアーCEOはサウジアラビアで開催されたイベント「Future Minerals Forum」で演説し、ニッケル在庫の危機的水準について「我われは、消費者が目を覚まし、問題を認識する様子を目にし始めている」と述べた。
国際エネルギー機関(IEA)の試算によると、世界の国々が気候変動に関するパリ協定の全目標を完全に達成しようとした場合、ニッケル需要は2040年までに急増して19倍になる可能性がある。