同大学の生物学研究チームによると、物事を忘れることは有益であり、人間のより柔軟な行動を促すという。人間はより賢明な判断をとるようになる。記憶が現在の状況と異なる状況で獲得された場合、その記憶を失くすことで前向きな変化となり、人間の幸せをより大きくするという。大まかに言ってしまえば、以前の「インストラクション」が古くなり、現在の生活に合わなくなると、脳は新しいものに書き換えるというわけだ。
研究チームは、これは脳回路の組み直しによって起こると推測。「エングラム細胞」と呼ばれる、記憶を保管するニューロン集団を切り換えているという。
共同論文執筆者の1人、トーマス・ライアン氏は「つまり、人間が情報金庫のコードを失くしてしまった場合、記憶そのものは残るが、アクティブにすることはできない」と説明している。
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