ストックホルム・レジリエンスセンターの専門家らによれば、地球上のすべての生命の基礎である生物学的、物理学的プロセスに特に大きな害を与えているのはプラスチック、そしてぺスチサイド、産業由来の有機化合物、抗生物質など、3500種を超える化学物質である。たとえば、ぺスチサイドは、農業作物の害虫の駆除に使われているが、使用の際には様々な植物の生育に欠かせない重要な意義を持つ普通の虫をも殺してしまう。これらの植物は多くの動物たちの食物の基盤となるものである。
スウェーデンの環境学者らは、現在、環境の化学汚染は「プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)」を超えたと考えている。つまり、過去1万年の間、維持されていた自然の生態系の安定を脅かすレベルとなったとガーディアン紙は指摘する。統計によれば、1950年以降、化学物質の生産量は50倍に増加し、専門家は2050年にはさらにこの3倍に膨れ上がるものと予測していると記事では強調されている。このようなテンポで有毒化合物の自然界への廃棄が続けば、地球のエコシステムの安定性は失われるだろうと学者らは警告を発している。
ガーディアン紙によれば、化学汚染の「プラネタリー・バウンダリー」は、限界を超えた5つの限界のうちの1つだという。残る4つとは、地球温暖化、野生生物の生息地の破壊、生物多様性の消失、そしてリンと窒素による汚染である。
温室効果ガスの放出で、地球の大気汚染が最高値に達したというニュースは「スプートニク」の過去の記事よりお読みいただけます。
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