氷山A68aは2017年7月、南極半島のラーセンC棚氷から分離し、南極海を漂流する4000キロの「旅」を開始した。
A68aは世界最大級の氷山で、当初の面積は5719平方キロメートルだった。
学者たちはそれ以来、衛星画像からその動きを追跡し、最近、2020年末から2021年初頭に亜南極のサウスジョージア島の近くを通過したときにA68aから約1520億トンの淡水が流出したとの調査結果をまとめた。A68aの厚さは当初235メートルだったが、67メートル薄くなって168メートルになったという。
このような巨大な氷山が近くにあることは、島の生態系に悪影響を及ぼすおそれがあるため危険だが、学者たちは、A68aは少し溶けたため、サウスジョージア島周辺の海底にぶつかることはないと指摘している。
一方、氷河の融解で生じた膨大な量の淡水は、海洋環境に影響を与えるおそれがあるという。
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