タリンは欧州選手権の開催は2010年に経験済みだが、四大陸選手権自体、欧州圏内で開催されるのは今回が初めて。四大陸選手権は1999年、アジア、アメリカ(北、中、南米)、アフリカ、オセアニアの4つの大陸を代表する選手らのために創設された。今回、開催予定地であった中国・天津は新型コロナウイルスの感染拡大を理由に開催中止を決定している。
先日閉幕した欧州選手権の女子シングルでは、ロシア代表は、3週間後の北京に出る主要メンバーを四大陸に残し、事実上、オリンピックの「予行練習」をさっさと終えている。欧州選手権の結果に比べ、唯一変化が生じたのは男子シングルで、北京にはエフゲニー・セメネンコの代わりにミハイル・コリヤダが行くことになった。
今日から開幕の四大陸選手権は欧州選手権とは異なり、ビッグネームが勢ぞろいしているわけではないが、観客にとっては今季のグランプリ大会にそう頻繁に登場していない選手らの多彩な演技を見ることができる機会だ。
主なライバルである米国と日本は、北京五輪団体戦の開始を2週間後に控えていることから、この四大陸に代表団の中の主力は出さず、温存することにした。
そのため、今回の四大陸では観客が目にするのは国内大会で第3位以下を占める第2シードの選手たちになる。 昨年の入賞者らの中で、韓国だけが最強の女子選手、ユ・ヨンを出場させた。トリプルアクセルが跳べるユ選手を出したことを米国人ジャーナリスト、フィリップ・ハーシュ氏をはじめ、多くの専門家が無駄遣いと捉えている。
過去の四大陸選手権では羽生結弦(2020)、宇野昌磨(2019)、ネイサン・チェン(2017)、紀平梨花(2020、2019)、坂本花織(2018)といった選手らが優勝している。
1月20日から23日、タリンで四大陸フィギュアスケート選手権2022が開催されている。本大会は当初中国で開催が予定されていたものの、コロナウイルスによる制限措置で急遽、タリンに開催場所が変更された。