先にウクライナのドミトロ・クレバ外相は、ドイツ側がウクライナへの防衛兵器供給を拒否し、クリミア半島の返還に対する悲観的な発言を行い、さらにはロシアを銀行間の国際決済システム(SWIFT)から追放する制裁案に否定的な態度を示したことを受け、二国間関係の水準に一致しないものとして非難していた。
この事態を受けてドイツ大使を呼び出し、厳重に抗議したとウクライナ外務省の公式サイトに発表された声明には記されている。
具体的に、ドイツ海軍のカイ=アヒム・シェーンバッハ司令官がインド訪問中に現地の防衛シンクタンクで講演した際、クリミア半島について言及した中で、この領土がウクライナ領に返還されることはなく、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)の加盟基準に一致していないと発言したほか、ドイツ政府が防衛兵器の供給を拒否していることに対しウクライナ側は抗議したという。
その上でウクライナにとっては、「ロシアの破壊的な思惑」を封じ込める上でパートナー国との結束と連帯が重要であると外務省の声明には記されている。
また、「ロシアによる大規模な侵攻の脅威」を前にした防衛力強化の問題、及び欧州の安全を保障する上で必要な有効措置の適用を巡る問題で、ドイツ政府が積極的に支援することに期待するとも記されている。
最近、欧米諸国やウクライナ政府で、ロシアがウクライナに侵攻する可能性があるという疑惑が浮上している。ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、このような情報は空虚で根拠のない緊張を高めるものだと指摘し、ロシアは誰にも脅威を与えていないと強調した。またペスコフ氏は、このような発言を正当化するための挑発行為が起こる可能性を否定しなかった。
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