学者たちは、2000年から2015年までの15年間にわたる毎日の観測で収集された世界の主要175都市の全球気候モデルと気象情報を使って緑化の効果を検証した。結果、緑豊かな都市空間の可能性は、都市の支配的な気候によって厳しく制限されていることがわかった。洪水防御は乾燥した環境で最も効果を発揮し、冷却効果はよりジメジメした気候で最も発揮されるという。
熱波は、コンクリートや鋼鉄が圧倒的に多いことが要因であるヒートアイランド現象や、植物からの水分の蒸発不足により、都市部で頻繁に発生している。洪水は、都市構造物が雨水の自然な流れに悪影響を与えているために発生している。検証結果は、世界の大多数の都市において、緑化は熱波と洪水という問題と同時に闘うことができないことを示した。
また気候変動による降雨量の増加は、土壌や根系がより厚みのある広い領域と比較して、屋上緑化や壁面緑化の効果を低下させる可能性があるという。したがって都市計画家は、地球温暖化の影響が軽減される将来の都市を設計するために、これらの特性を考慮に入れる必要があるという。
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