地球温暖化は中国の首都、北京を乾燥した冬に、つまり降雨の少ない状態に変えた。その結果、2022冬季五輪は、大会史上初めて自然の降雪がまったくない中で開催され、北京の丘や山々をウィンタースポーツの会場にふさわしい状態にするため、主催者は人工雪を使わざるを得なくなった。報道によれば、そのために人工造雪機100台超と人工降雪機300台超が用意された。
報道によれば、中国政府は、2022冬季五輪を環境保護の観点でもっとも配慮された大会と宣伝したが、しかし、人工の雪は、化学的に処理された水を利用することから、決して環境に優しいものではない。
また、報道によれば、気候学者は、今後、ウィンタースポーツにとって温暖化は脅威となり、雪が降らないことが異常な状態ではなく、普通の状態になると警告している。研究者の予想では、冬季大会の開催が可能な会場数は急激に減少していく。生態学者は、温暖化がカナダやノルウェー、ロシア南部、フランスのアルプス地域に影響を与えていると警告する。
CNNのインタビューに米国のスノーボーダーで、五輪代表のエレナ・ハイト選手は、人工雪の会場で競技するのは好きではなく、それは人工雪で転倒すると非常に痛くて危険だからだとコメントしている。研究者らはこうした意見に賛同する。人工雪は約30%が氷でできているが、自然の雪は10%しか含まれておらず、そのため人工雪は非常に硬く、はるかに滑りやすく、選手が転倒すると大ケガをするリスクが高いという。
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