水環境の薬品による汚染濃度、人体に危険なレベルに

英国の研究者チームは、ロンドンのテムズ川やブラジルのアマゾン川など、世界の大規模な河川で、薬品による高濃度汚染が確認されたと発表した。この研究結果は、米国科学アカデミー紀要に発表された。
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研究者チームは104カ国の258の河川から採取したサンプルを調査し、その汚染が人体の活動にどのような影響を与えるのかについて分析した。さらにこの調査では、医薬品類による汚染に大きな注意が向けられた。サンプルの中からは合わせて61の医薬化合物が特定された。
中でも医薬品の濃度がもっとも高いのは、サハラ砂漠以南のアフリカの河川、南アジア、南米の河川であることが分かった。つまりこれらは、低所得国、中所得国であり、また廃水処理のためのインフラが未発達で、廃棄物の処理が不十分な国である。また、水のサンプルが採取された場所のほぼ4分の1で、薬理学的化合物の濃度が、水中生物にとって有害なレベルにまで達していることが、研究者らの懸念を呼んでいる。さらに、研究者らは、薬品によるこれほどの河川汚染は薬品に対する耐性がある微生物の発生と進化をもたらすと指摘し、その結果、世界的な医薬品による河川汚染は、環境はもちろん、人体にも壊滅的な影響をもたらすと述べている。
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