岸田首相は24日に行われた参議院予算委員会で、「自称共和国を認めるということは国際法違反だ。我が国として承認することは考えてない」と述べ、「強く非難をする」とした。
NHKによると、岸田首相は「日本がアメリカやEUをはじめとする欧州諸国と連携することは、国際社会が一致してロシアに対し強い意思を示すという意味で、大変重要な姿勢だ。こうした強い姿勢を示すことにより、ロシアに対して外交手段を通じて事態の緩和に向けた努力を促すことにつながるよう期待したい」と語った。
また岸田首相は、ロシアに対し「外交プロセスに立ち戻って事態の打開に向けた努力を行うことを強く求めている」と述べた。
ドンバス地方の情勢はここ数日緊迫度を増しており、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国は、ウクライナの治安部隊からの度重なる砲撃があったと報告している。また両共和国の指導部は、ウクライナからの侵攻の危険があるとして、女性や子ども、高齢者を中心に、住民をロシア南西部ロストフ州に一時避難させたことを明らかにした。またドネツク人民共和国の指導者であるデニス・プシリン氏は、ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領が近く、軍部隊に対し、攻撃開始を指示し、両共和国への侵攻計画を実行する可能性があると述べた。2月19日、両共和国の指導者は徴兵のための総動員令に署名し、その後、ロシアに対し、独立承認を要請した。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、21日に安全保障会議を開いた後、テレビを通じてロシア国民を前に演説し、ドネツクとルガンスク両人民共和国の主権を早期に認めることが必要だと訴えた。また大統領は、ドンバス地方では、砲撃が続いており、民間人が殺害され、封鎖状態となっているが、世界はこのジェノサイドを見て見ぬふりをしようとしているとも指摘。その上で、プーチン大統領は、ドンバス地方での戦闘が続いた場合、その責任はウクライナ政府にあると述べた。国民に対する演説を行った後、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国の独立を承認する大統領令に署名した。プーチン大統領は、その中で、両共和国の平和維持を目的にロシア軍の派遣を指示した。
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