フィギュア男子シングルのグルジア（ジョージア）代表で、モスクワでエテリ・トゥトベリーゼ氏に師事するモリス・クヴィテラシヴィリ選手（26）は「マッチTV」からのインタビューに、トゥトベリーゼ氏は自制のきいた、強い人間だと感嘆をもらした。
クヴィテラシヴィリ選手はトゥトベリーゼ氏はどんな人だと思うかとの問いに北京五輪の逸話を例に引いて、次のように答えている。
「強い人ですよ。どんなに自分の強い感情を隠しているか、いろんな場面で自制しているか、僕にはわかる。北京の女子フリーがそのいい例だ。僕は女子の演技を見ていたけれど、カミラ（ワリエワ、15）の心中を思うと、ものすごく心が痛くて、悔しくてたまらなかった。でもアーニャ（シェルバコワ、17）やサーシャ（トルソワ、17）は全てうまくいって、すごく嬉しかった」
北京五輪の女子シングルでは、トゥトベリーゼ・チーム全体がワリエワのことを気遣い、苦しい思いを共有していた。ところが、その渦中にいたはずのトゥトベリーゼ氏の一言は、クヴィテラシヴィリ選手を心底驚かしたという。
「そんな、ないまぜの気持ちに堪えられなくなって、とうとう泣き出してしまって。そのままチームのみんながいるところに降りて行ったら、エテリ・ゲオルギエヴナ（トゥトベリーゼ氏）が僕を見つけて。彼女にとっても、チーム全体にとってもこんなキツイ時にだよ。信じられるかい？ そんな時でさえ、あの人は自分を抑えて、ジョークを飛ばして、こう言ったんだ。『あんた、なに泣いてんのよ？ 10位になったが悔しいってわけ？』って。思わず笑ってしまって、こう答えたよ。『まぁ、そうですよ。当たり前じゃないですか』って」
「ここにあの人の力があると僕は思う。あの人はどんなに辛い状況にあってもポジティブなエネルギーが発揮できる。しかも落ち着き払って。これができる人はそう多くないよ」
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