ウクライナガス輸送システム(GTS)経由のロシアガス輸送量の増加はウクライナGTS管理会社のデータでも証明されている。25日のロシア産ガス輸送注文は1億立方メートルであり、24日の数字を20%以上上回っている。このような動きから、ウクライナをめぐる地政学的緊張を背景にロシア産ガスの需要が高まっていることがわかる。事前注文によりガスプロムが供給するロシア産ガスは、スポット市場の代替調達よりも数倍安価なためだ。スポット市場ではロシアがウクライナ非軍事化作戦を開始以来、ガス価は60%以上値上がりし、1000立方メートルあたり1653ドル(約19万500円)の値をつけている。
ただし欧州の暖房シーズンは終わりつつあり、これから冷え込みも予測されていないことから、欧州ガス貯蔵庫のストックは極めて低い水準にある。2月23日時点で貯蔵施設の充足度はわずか30.14%。一方、風力発電量は24日時点で、消費電力全体の25%を占めている。
スプートニク通信はこれより前、ウクライナ領におけるロシアの特殊軍事作戦は決してウクライナの一般市民や生活インフラに触れるものではないことを取り上げた。