IAEA理事会は3日、決議を採択した。ロシアと中国は決議に反対し、決議はIAEAの権限の範囲を超えており、政治的要素が多く含まれていると指摘した。
IAEAが9日に公表した決議では「チェルノブイリ原子力発電所およびウクライナのその他のあらゆる原子力施設に対するすべての行動を直ちに停止し、ウクライナの管轄当局が国際的に認められたウクライナ国境内のすべての原子力施設に対する完全な管理を維持または迅速に回復し、それらの安全な運用を確保できるようにするよう、また物質の計量および管理に関する不可欠な検証を含むその検認活動をIAEAが全面的に再開できるよう、ロシア連邦に要請する」と述べられている。
ウクライナは、チェルノブイリ原発が送電網から切り離され、外部からの電力供給を喪失したとIAEAに通知した。一方、IAEAのグロッシ事務局長は、プール内には十分な量の冷却水があり、使用済み燃料からの効率的な熱除去を維持できるため、使用済み燃料貯蔵施設の基本的な安全機能に重大な影響はないと説明した。
なおグロッシ氏は、「すべての原子力サイトで、外部電源(送電網)からの電力が確実に供給されること」は原子力安全確保に関する7つの原則の1つであるため、深い懸念を表明した。
ロシアは2月24日、ウクライナで軍事作戦を開始した。プーチン大統領は、その作戦の目的を「8年間ウクライナ政権によって虐待や大量虐殺にさらされてきた人々を守ること」だと述べた。
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