フォーブス誌は、米国は日量24万5千バレルのロシア産原油の輸入をあきらめたため、エネルギー不足をベネズエラの援助で補うことを期待していたと報じている。米国はトランプ政権が2018年の禁輸措置を発動までは日量は約20万バレルのベネズエラ産原油を買っていた。だが、ベネズエラの経済学者ホセ・トロ・ハーディ氏はフォーブス誌からの取材に、今のベネズエラはたとえその気になったとしても、米国が必要とするだけ量の石油をすぐには供給できないと語る。ハーディ氏の試算では、ベネズエラの原油生産を以前の日量350万バレルまで回復させるには約2500億ドル(28兆9890億円)の投資と7〜8年の歳月が必要。OPECによると、ベネズエラの原油生産量は現在、日量66万8000バレルを超えていない。
だが、フォーブス誌は、ベネズエラ産原油の米国向け供給の主な障害は両国が互いに突き付ける厳格な要件であり、この要件は当面、決して満たされることはなく、両国の外交・経済関係にも急激な変化は期待できないとの見方を示している。フォーブス誌は、米国は失ったロシア産原油をベネズエラからの供給で補填しようなどという考えは捨てざるをえないと書いている。
スプートニクは先日、バイデン米大統領が、エネルギー価格の高騰に歯止めをかけようと、最大の原油輸入国である南アフリカ共和国とアラブ首長国連邦に増産を交渉し、失敗に終わったと報じている。