中満事務次長によると、BWCには化学兵器禁止機関(OPCW)のような、多面的で独立した検証メカニズムがないことから、条約の義務が遂行されているかどうかの評価は条約国に委ねられているという。このように、BWCには国際的な検証体制上の不備があるものの、条約国の活動に懸念がある場合、こうした状況の解明に向けて行使できる手段があるとのこと。そこで中満事務次長は条約の第5条(条約国間で相互の協議、及び協力)、及び第6条(国連安全保障理事会への苦情申し立て、及び調査への協力)の適用を条約国に提案した。
条約国は意見が分かれる未解決の問題用に一連のプロセスを考案してきたが、その中にはこうした問題を審議するため、公式協議の要請も含まれている。
また、条約第6条が適用された事例は無いものの、事務次長は国連安保理の合意がある場合、提出された苦情をもとに調査を指揮することは可能であるとした。
その上で、こうした問題を解決するための協議と協力に向けたあらゆる措置の適用を条約国に提案した。
ロシア国防省は先にプレゼンテーションを行った中で、米国がウクライナにおける生物研究所の活動に2億ドルの資金援助を行っていたと発表していた。これらの研究所は米軍の軍事生物プログラムに参加していたという。
ロシア側は、米国がウクライナで軍事生物の開発に関わっていた事実を受け、生物兵器禁止条約(BWC)の枠組みで協議を開催する必要性を指摘した。
また中国外務省はこれを受け、米軍が国内外で生物兵器の開発を進めているのかについて、説明を行うよう要求した。
一連の声明を受け、ビクトリア・ヌーランド米国務次官補は、ウクライナには生物研究所の施設があり、ウクライナ政府と米国政府はこの研究所で管理されている物質がロシア軍の手に渡らないよう取り組んでいると明らかにした。
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