会談の中でプーチン大統領は、ウクライナのシロビキ(治安当局)による、人道的権利の規範侵害に関する際立った事例を指摘した。プーチン大統領によると、ウクライナ側は司法手続き抜きで反体制派に制裁を加えているほか、人質を取って住民を人間の盾として使用、さらには重兵器を学校や病院、幼稚園などの近くに設置しているという。
また、民族主義的部隊が体系的に住民の救出作業を阻止し、民間人を避難させる際に脅迫するなどしている模様。その上で、ウクライナ南東部のドンバス地域を保護するためにロシア側が進める特殊軍事作戦の状況について西側に報告を行った。
会談では、直近の数日間でロシアとウクライナがビデオ会議形式で実施した交渉の内容についても情報共有を行った。首脳会談では、ロシア側が要求する条件の実現に向けた問題について、検討を行ったという。
会談後、ドイツの首相官邸は声明を発表し、ウクライナにおける紛争の即時停戦と、外交的手段による解決をロシア側に要請したと明らかにした。ショルツ首相は12日の午前中にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と電話会談を行っており、現状に対するウクライナ側の評価を確認し、両首脳は引き続き連携を取ることで合意していたという。
また、フランス大統領府も声明を発表した。BFMTVが報じた声明によると、プーチン大統領は「戦争停止を望む意志」を発揮しなかったため、近くフランス側は新たな制裁を発動するという。フランス大統領府の発表によると、電話会談は「率直で困難」な内容だった模様。
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