「この衛星に搭載されたレーダーは、様々な悪条件にも関わらず鮮明な画像を取得できるという特に高い技術水準のものであり、それを提供するということは、ロシアからすれば、間接的ではない軍事行動への参加とみなす懸念があります。日本は非常に危ない一線に近づいてきているという気がします。日本は自衛隊の防弾チョッキとヘルメットをウクライナに提供しました。自衛隊の装備を提供するというのは過去に例のないことです。これにも驚きましたが、それに加えて衛星データまでとなると、例えば、このようなことが考えられます。日本は中国との間に尖閣諸島問題を抱えており、ロシアはこの問題に関してこれまで中立の立場をとってきました。もちろん起こってほしくないですが、日中間で何か起こったとき、鏡のような対応を取る―、つまりロシアが中国側につく可能性が出てくる、日本にはそこまで考慮してもらいたいと思います。」
「日本からの輸出禁止について言えば、もちろん当面はロシアにある程度のネガティブな影響をもたらすでしょうが、もともと日本からロシアに大きなテクノロジーの流れがあるわけでもなく、多くは日系企業の現地工場向けの輸出なので、ロシアは代替を見つけるでしょう。それらの措置の他にも、日本は、ロシア中央銀行が日本国内に持つ資産を凍結しました。凍結額は約3兆8000億円にのぼり、ロシアの外貨準備の6パーセント近くにあたります。こういったことからも、日本がG 7と足並みを揃えて、可能な限りのあらゆる手段で、制裁に加わっていることは、当然日露関係に非常にマイナスな影響を与えます。これは日本がアメリカの影響下にあることを改めて示すものです。その一方、エネルギーの例からもわかるように、日本は自国に、制裁の影響が大きく跳ね返ってこないよう、注意深く選んでいることもわかります。」