セルビア政府は24日、NATOのユーゴ空爆23周年を受け、犠牲者追悼式典を実施した。ヴチッチ大統領はセルビア北部ヴォイヴォディナ自治州のラジオ・テレビ局による生中継で次のように発言した。
皆さんは人命を取り戻すことはできません。セルビア・ラジオ・テレビ局のスタッフ16人、82人の子供達、民間人や私たちの兵士、警官の犠牲。彼らはいかなる国も攻撃していませんでした。NATO19カ国の作戦が如何に酷く、過ちに満ち、不当で、そして何より非道徳的なものだったか、23年経ってわかることです。これは今日の視点から見て、如何に恥ずかしく、そして失礼な表現ですが、愚かに響くことでしょう。彼らは人道危機が起こっていると吹聴してセルビアを攻撃したのです。
ヴチッチ大統領によると、当時のヨシュカ・フィッシャー独外相は新たなアウシュヴィッツを阻止すると主張してセルビアの空爆を支持したという。その際、西側は虚偽の証拠を捏造するなどしていたともヴチッチ大統領は指摘。その上で次のように発言した。
彼らが今日、ウクライナに対する攻勢でロシアを非難するとは何と愚かなことか。彼らこそが同じ事を、あるいは更に酷いことを犯したということを誰かが教えてやるべきです。
セルビアは3月2日、ロシアがウクライナで進める特殊軍事作戦を非難する国連総会の決議において、13項目のうち4項目を支持したものの、これらの項目は対露制裁を含んでいないほか、ロシア企業の資産押収にも関係しないものだったとヴチッチ大統領は説明した。
コソボ解放軍を構成したアルバニア人の分離派が1999年にセルビアの軍や警察に対抗した際、ユーゴはNATOの空爆を受けた。この軍事作戦は国連安保理の決議を得ることなく、西側諸国の一方的な主張を根拠に実施された。その際、西側はユーゴがコソボ自治区で民族浄化を実施し、人道危機を起こしていると主張していた。
NATOの空爆は3月24日から6月10日にかけて実施された。この空爆では2,500人以上が死亡し、その中には87人の児童が含まれ、空爆の被害総額は1億ドルに達した。
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