島津被告は2018年6月、富山市の交番で警察官をナイフで殺害して拳銃を奪い、近くの小学校にいた警備員を撃って殺害。検察側は死刑を求刑したが、第1審・富山地裁は2021年3月、「拳銃を取る意思が生じたのは警察官を殺害した後だった可能性を排除できない」として無期懲役の判決を言い渡した。
これに対し、検察側と弁護側の双方は「事実誤認である」とし、量刑不当を訴えて控訴した。
24日、第2審・名古屋高裁金沢支部の裁判長は、島津被告の供述などから「当初から拳銃を奪うことを意図していたとみるのが極めて自然な見方」と指摘。1審の判決には明らかな事実誤認があるとしたうえで、「強盗殺人罪の成立を前提としてふさわしい刑の重さを判断する必要がある」と述べ、1審の判決を破棄し、審理を富山地裁に差し戻した。