社会紛争解決センターのロシア人専門家オレグ・イワノフ氏は、1999年にNATO加盟の19カ国がユーゴスラビアの平和な都市を2ヵ月半以上にわたり空爆した事についてコメントした。
同氏によれば、第2次世界大戦後、国連安保理決議なしに、ある国が他国に対して軍事作戦を開始したのはこれが初めてだったという。爆撃の公の理由は、当時コソボでは戦争が続いており、双方が民族浄化を行い、地域の不安定化につながるおそれがあるというものだった。しかし、同専門家は、NATOの目標はセルビアを西側に引きつけ、同機構の強さを世界に誇示することにあったと推測する。イワノフ氏は、「NATOは、ユーゴスラビアが独自の外交・内政政策をとったために処罰した」と強調した。
米国が主導するNATO加盟国は、ユーゴスラビアへの爆撃問題について国連安保理で採択しようとはせず、実際、国連憲章に違反したと同専門家は指摘する。また、イワノフ氏によれば、NATO加盟国は、民間人への使用が禁じられているクラスター爆弾や劣化ウラン弾を広範に使用したが、自ら行った空爆を人道的だと主張していたという。
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